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戦争の後、水害が多発するってほんと?

近年、気候変動によって自然災害が多発しています。とりわけ夏場になると水害が発生しているイメージがあります。昔に比べて規模や被害が大きい印象があります。しかし、第二次世界大戦の後には今以上に水害が発生していました。それはなぜでしょうか。

 

第二次世界大戦が終わった年は1945年8月です。以後16年間で死者・行方不明者が100人を超した台風を出してみます。

1945年9月 枕崎台風、死者・行方不明者3756人

1945年10月 阿久根台風、死者・行方不明者451人

1947年9月 カスリーン台風、死者・行方不明者1930人

1948年9月 アイオン台風、死者・行方不明者838人

1949年6月 デラ台風、死者・行方不明者468人

1949年8月 ジュディス台風、死者・行方不明者169人

1949年8月 キティ台風、死者・行方不明者160人

1950年9月 ジェーン台風、死者・行方不明者539人

1951年10月 ルース台風、死者・行方不明者943人

1952年6月 ダイナ台風、死者・行方不明者135人

1953年9月 昭和28年台風第13号、死者・行方不明者478人

1954年9月 昭和29年台風第12号、死者・行方不明者144人

1954年9月 洞爺丸台風、死者・行方不明者1761人

1958年9月 狩野川台風、死者・行方不明者1269人

1959年8月 昭和34年台風第7号、死者・行方不明者235人

1959年9月 伊勢湾台風、死者5098人

1961年9月 第2室戸台風、死者202人

 

16年間の間で17個も発生し大きな被害を出しています。たまたまこの16年間は台風が多かったと言えるかもしれません。しかしこれだけ集中していると他にも理由があるはずです。

 

台風そのもので亡くなった方が多かったというよりか、台風が引き金となって土砂崩れが起き、深刻な水害が生じるようになったと言えます。どういう事かというと、戦時中は軍需物資のために木炭が必要になります。そのため山から木を大量に伐採しました。なので戦時中は多くの山がはげ山になったと言われています。

 

人間が山林を切り開いたり、たくさん伐採したりすることで、土壌が脆弱化して、台風が襲ったことで土砂崩れや山崩れを引き起こしていったのです。加えて、戦時中は治水事業にお金をかけるよりも、軍事費に使っていたため、洪水が起きると被害が広がる傾向にあったようです。

 

一度木を切ったら、何十年かは元の山に戻りません。なので戦争が終わって木を切らないから安心というわけではなく、木が育っていくまでの数十年は水害が多かったのも当然と言えます。まさか戦争で水害が多くなるとは思いもよりませんよね。

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